谷川俊太郎五首
Updated: Jul 19, 2022
春
可愛的郊外電車的沿線
有顯得快樂的白色的屋子們
有邀請散步的小路
下車也沒有 上車也沒有的
田地中的車站
可愛的郊外電車的沿線
但是呢
養老院的煙囪也看得到了
多雲的三月的天空下面
電車降下速度
一瞬的宿命論
我用梅的氣味來替換了
在可愛的郊外電車的沿線
春天以外是立入禁止的
春
かわいらしい郊外電車の沿線には
楽しげに白い家々があった
散歩を誘う小径があった
降りもしない 乗りもしない
畠の中の駅
かわいらしい郊外電車の沿線には
しかし
養老院の煙突もみえた
雲の多い三月の空の下
電車は速力をおとす
一瞬の運命論を
僕は梅の匂いにおきかえた
かわいらしい郊外電車の沿線では
春以外は立入禁止である
活着
讓活着
六月的百合讓我活着
死去的魚讓活着
雨淋濕了的小狗
那天的晚霞讓我活着
讓活着
忘不了的記憶讓活着
死神讓我活着
讓活着
忽然轉過頭的一張臉讓我活着
愛是盲目的蛇
扭曲了的臍帶
生了紅鏽的鎖
小狗的小腿
生きる
生かす
六月の百合の花が私を生かす
死んだ魚が生かす
雨に濡れた仔犬が
その日の夕焼が私を生かす
生かす
忘れられぬ記憶が生かす
死神が私を生かす
生かす
ふとふりむいた一つの顔が私を生かす
愛は盲目の蛇
ねじれた臍の緒
赤錆びた鎖
仔犬の腕
鳥
鳥不會命名天空
鳥只是飛過天空
鳥不會命名蟲子
鳥只是吃掉蟲子
鳥不會命名愛
鳥僅僅是成對地活下去
鳥知道歌唱的事情
所以鳥無法留意世界
突然有槍聲響起
小的鉛塊把鳥從世界拉開把鳥和人聯結
於是人的大的謊言在鳥的中間成為謙遜的眞實
人在一瞬相信鳥
但就算在這個時候人也不會相信天空
所以人不知道把自己和鳥與天空聯結的大的謊言
人總是被無知殘留着
不久後在死的中間爲了天空被變成鳥
終於知道了大的謊言 終於留意了謊言的眞實
鳥不會命名生
鳥僅僅是動着
鳥不會命名死
鳥僅僅是不動了
天空僅僅是在任何時候都在變得寬廣
鳥
鳥は空を名づけない
鳥は空を飛ぶだけだ
鳥は虫を名づけない
鳥は虫を食べるだけだ
鳥は愛を名づけない
鳥はただふたりで生きてゆくだけだ
鳥は歌うことを知っている
そのため鳥は世界に気づけない
不意に銃声がする
小さな鉛のかたまりが鳥を世界からひき離し鳥を人に結びつける
そして人の大きな嘘は鳥の中でつつましい真実になる
人は一瞬鳥を信じる
だがその時にさえ人は空を信じない
そのため人は鳥と空と自らを結ぶ大きな嘘を知らない
人はいつも無知に残されて
やがて死の中で空のために鳥にされる
やっと大きな嘘を知り やっとその嘘の真実なのに気づく
鳥は生を名づけない
鳥はただ動いているだけだ
鳥は死を名づけない
鳥はただ動かなくなるだけだ
空はただいつまでもひろがっているだけだ
關於愛
我是被凝視的我
我是讓人懷疑的我
我是讓人回頭的我
我是被遺失掉了的我
於是我不是愛
我是逃到心裏面的肉
不知道土地的腳
扔不掉心的手
被心凝視了的眼珠
於是我不是愛
我是太陽結束了的正午
被編排好了的戲劇
被取了名字的枕邊話
過於熟悉的黑暗
於是我不是愛
我是不會見到的悲傷
飢渴着的歡樂
選擇被結合的獨一人
幸福的外面的不幸
於是我不是愛
我是最やさしい的目光
我是過餘的理解
我是erected penis
我是不絕的嚮往
於是我不會是愛的
愛について
私はみつめられる私
私は疑わせる私
私はふりむかせる私
私は見失われた私
そして私は愛ではない
私は心の中に逃げた肉
地を知らぬ足
心を投げられぬ手
心に見つめられた眼
そして私は愛ではない
私は陽の終わった真昼
振り付けられた劇
名づけられた睦言
狎れすぎた暗闇
そして私は愛ではない
私は見知らぬ悲しみ
餓えている歓び
むすばれるものを選ぶ孤り
幸せの外の不幸せ
そして私は愛ではない
私は最もやさしい眼差
私はありあまる理解
私はerected penis
私は絶えない憧れ
そして私は愛ではないんだ
天空裏變得沒有了小鳥的那天
森林裏變得沒有了野獸的那天
森林靜靜地凝住了呼吸
森林裏變得沒有了野獸的那天
人們把道路繼續建造了
大海裏變得沒有了魚的那天
大海空空地呻吟了浪濤
大海裏變得沒有了魚的那天
人們把港口繼續建造了
街道裏變得沒有了孩子的那天
街道更加地變得熱鬧了
街道裏變得沒有了孩子的那天
人們把公園繼續建造了
人們裏變得沒有了自己的那天
人們互相地非常相像了
人們裏變得沒有了自己的那天
人們把未來繼續相信了
天空裏變得沒有了小鳥的那天
天空靜靜地流下了淚
天空裏變得沒有了小鳥的那天
人們什麼都不知道地繼續歌唱了
空に小鳥がいなくなった日
森にけものがいなくなった日
森はひっそり息をこらした
森にけものがいなくなった日
ヒトは道路をつくりつづけた
海に魚がいなくなった日
海はうつろにうねりうめいた
海に魚がいなくなった日
ヒトは港をつくりつづけた
街に子どもがいなくなった日
街はなおさらにぎやかだった
街に子どもがいなくなった日
ヒトは公園をつくりつづけた
ヒトに自分がいなくなった日
ヒトはたがいにとても似ていた
ヒトに自分がいなくなった日
ヒトは未来を信じつづけた
空に小鳥がいなくなった日
空は静かに涙ながした
空に小鳥がいなくなった日
ヒトは知らずに歌いつづけた
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